次に向かうは、ホワイトサンズから70マイル(約110km)の場所にある、El Pasoというテキサス州最西端に位置する都市。
メキシコとの国境にあたる都市である。
メキシコとの国境El Pasoの治安
せっかく国境にきたのだから、メキシコまで行きたい、と思いつつも昨日のGallupのトラウマがあるため、念のため向かう前に治安マップを確認してみた。
すると、案の定、El Pasoの治安も悪いと知る。
El Pasoがちょうどアメリカとメキシコの国境地点。
リオ・グランデ川の挟むとすぐそこはメキシコのシウダー・フアレス(Ciudad Jurez)という街だで、こことEl Pasoはもとはひとつの街だったらしい。
このエリアはいわゆる「ツイン・シティ」というやつだ。
19世紀の米墨戦争でメキシコが敗れ、川の北側のEl Pasoはアメリカ領になった。
そのため、この街はこれまで訪れた街とは雰囲気が全然違い、アメリカというよりは、メキシコの街のようだった。
El Pasoは今では安全になったとらしいが、川を挟んだメキシコ側のシウダー・フアレスは、「戦争地帯を除くと世界で最も危険な都市」とも恐れられていて、今でも「世界で2番目に危険な場所」だ。
警察がもはや機能していない国らしい。
そんな治安の悪さに怯えながらも前に進むしかない私は、El Pasoに向かってただひたすらハンドルを握り続ける。
恐怖のEl Pasoに到着
16:00ごろ予約していたEl Pasoのに到着した。
停めていいのか分からない道路沿いに車を停める。
すると、道を挟んで向こう側でヤマンバのようなおばさんがずっとこっちを見ているではないか。
不気味。
見て見ぬ振りをしていたが、おばさんはどんどんこちらに近づいてきて、ついに何かを言ってきた。
英語ではない。
聴き慣れないスペイン語に身体の底から鳥肌がたち、足が震えているのを感じる。
何かを乞われているのだろうが、何を言っているか分からない。
逃げるように泊まる予定のAirbnbに入ろうとするが、全てが怖く感じ、玄関を開けようとするが、なかにグルとなる誰かいるのではないか、と思い手にも力が入らなくなる。
旅に出る時、治安なんて調べるべきではなかったのかもしれない。
そんなことを思いつつ、思い切って部屋に入ると、中は安全そうで、やっと一息つく。
あまり暗くなる前に夕飯を食べに行かないと余計怖くなる。
まだおばさんはいるのだろうか、カーテンをめくりつつおばさんを確認し、姿が見えなかったので、意を決してまた外に出た。
メキシカン料理で束の間の至福の時
メキシコ側と比べれば治安はいいとはいえ、さすがに夜になると人通りがめっきりとなくなった。
近くにあった、メキシカン料理屋に入る。
薄暗い街のなかに小さくひかる看板。
ビールとともに、メキシカン料理(名前は不明)をいただく。
美味しいんだか美味しくないんだか分からない不思議な食べ物。
それでも中では愉快なメキシカンミュージックが流れていたので、恐怖がスッと抜けていく。
今無事にご飯を食べて、生きれていることにただただ感謝。
こんな経験滅多にできるもんじゃない。
ご飯を済ませ、猛ダッシュでAirbnbに帰ると、ものすごいサイレンが聞こえていた。
事故か事件かは分からない。
この日も怯えながら眠りについた。
#YOLO
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